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『 このあたりの人たち 』 [K.H]




装丁に惹かれた本。


川上弘美 著

文芸誌・MONKEYから生まれた待望の掌篇集!


紹介文にあるように
一話、数頁単位の短さで、全26話収録されている。

購入したきりの本を、少しずつでも読んでいこう!という
気持ちのモードに 今 入っているので、まずはと これに。


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ユニークで 不思議なかんじを醸し出している、街の住人が
描かれているのだが、この内容を、素直に捉えて楽しめる
感覚があれば良かったのだが

どうやら今の私には、ある意味 どこか奇妙な世界観やらを
味わいながら 浸る余地というか、余白がないというのか…
なので、最後まで読み切る事を 目的として、頁を進めた。

川上さんが、男女の物語を描く時などに、そこはかとなく
漂ってくるような艶っぽさが、私は好みである。

直接的な表現などではなく、ましてはエロス(笑 のような
ものとは、どこか無縁であったとしても、でも、結果的に
「それって何か 色っぽいよね」な描写に惹かれる。

そういう作風のものは、過去に沢山 刊行されているので
未読の短編を、改めて色々読みたくなったのは、この本の
おかげかもしれないと思うと、それはそれで、よかった?
のかもしれない。


色気だの 艶っぽさだのは、一体 何を指すのだろうか?と
たまに考えるのだけれども… そんなのはやっぱり主観で
しかなくて

例えばだが、瞳の白い部分が、青みがかったように白い
という表現でも、私は なぜかそこに 色気を感じてしまう。
(上記の本に登場する、かなえちゃんの お姉さんの瞳)


26篇中 最も印象に残ったのは、第1話の『 ひみつ

白い布が欅の木の下に落ちている。近寄っていってめくると、中からこどもがあらわれた。



主人公の女性が、幼い子供と出会い その後…という話だが
私は、川上さんが描くこの手の話が、どうやら好きらしい。

『 神様 』に収録されている、『 星の光は昔の光 』も
主人公が、同じ建物に住んでいる 男の子と、仲良くなり
その子の 家庭の事情を知って…という話しで

エッセイ集(といえども、どこか、妙な描写も織り交ざる)
『なんとなくな日々』収録の、『 春の憂鬱 』にも男の子が
登場する。

(どこかで知った情報だが、確か、実際のお子さん達も
ご子息だそうなので、執筆に関して 影響を受けた事やらも
多いのかもしれませんね)

子供の視点からみれば、大人は 摩訶不思議な存在であろう
私も、子供時代には ドラマや映画の中の、大人の行動等に
色んな疑問を持っていたし、身近な大人に対しても ?と
思う事は 沢山あった。

今となれば、何に疑問を感じていたのかさえ、すっかり
思い出せないのであるが…。

あくまでも、川上さんが描く小説に登場する、こどもらの
印象ではあるのだが、幼い子との 淡々とした会話を読むと
(自分自身の、投影とかもあるだろうけど)
"こども" というのは、えらく奇妙な存在に 感じてしまう。

幼いから、この世の色んな事を、何も知らないようでいて
でも 本当は様々な事を、既に 理解できる力もあるような
(可愛らしくもあるが)得体の知れない 把握しきれない
不可思議な 存在というのだろうか。

無垢なる(何処かにあるだろう)世界と、この世の 間を
誰かからの指令によって、行き来している 使者のような
そんなイメージすらわいてくる。

(でも、西洋の天使像って、まさにそんな印象ですよね
裸体の子どもが、翼をぱたぱたさせていて)

そして、心の中心に 邪心がないからか、逆に、こっちが
問われた事とかに(自分自身に対して)五里霧中となって
しまいそうな…怖さも 備えているような印象。


大きな鳥にさらわれないように 』の、後半を 今
読み始めたので、自然とそういう風に思ったのでしょうか。

この本に出てくる人々は、いわゆる "子供" とは違うのだが
私達の常識とは 違う感覚で、自分たちの住んでいる世界を
捉えているので、読んでいて とってもこんがらがる!

今まで読んだ、川上さんの本の中で 最大に 読みづらい本
私の理解力が乏しいうえに SF系?だからか、しんどくて
(『 水声 』も、そんなにスムーズにいかなかったような? '∀'; )

と考えると、『 七夜物語 』は、長編物であったけれども
わりと理解しやすかったのだなと、今になって 思った。


でも もう残り⅓ なので、最後までゆくぞ~








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